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24/12/5

Jordan Harper

GraphRAG(Retrieval-Augmented Generation with Knowledge Graph)

RAG(外部データ検索+生成)をさらに発展させ、知識同士の関連性をグラフ構造として整理

私たちは、オープンソースの大規模言語モデル(LLM:Large Language Models) を活用し、あらゆる業務に役立つチャット機能を提供しています。近年、生成AIは飛躍的な進化を遂げていますが、汎用モデルだけでは「自社固有の知識」を正しく反映できず、実務に即した回答が得られないという課題が残されています。

そこで私たちが注目したのが、GraphRAG(Retrieval-Augmented Generation with Knowledge Graph) というアプローチです。従来のRAG(外部データ検索+生成)をさらに発展させ、知識同士の関連性をグラフ構造として整理し、その関係性を踏まえて回答を生成します。これにより、単なる断片的な検索ではなく、業務に即した「文脈を理解した知識活用」が可能になります。私たちはこのGraphRAGを用いた自社ナレッジの取り込みについて、メリットとデメリットを徹底検証しました。

メリットとしては、社内の文書やマニュアル、過去の報告書といった情報を横断的かつ構造的に扱えるため、より正確で一貫性のある回答が得られる点。さらに、ナレッジをグラフとして表現することで、隠れた関係性や新しい気づきを導きやすい点が挙げられます。

一方で、知識グラフの構築には初期の設計・整備コストが必要であり、情報が多岐にわたる場合はグラフ設計の難易度が高くなるという課題も見えてきました。
それでもなお、GraphRAGは「自社ナレッジを最大限に活かすための有力な手法」であり、従来の検索型RAGよりも業務適合性が高いことを確認しています。私たちは、この検証結果を踏まえ、現場に寄り添ったチャット機能を企業に提供し、ナレッジの共有と業務効率化を強力にサポートします。

オープンソースLLM×GraphRAG。
この組み合わせが、御社のナレッジ活用を次のステージへ導きます。

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Llama3を採用した理由

私たちがチャット機能の基盤として選んだのは、オープンソース大規模言語モデル Llama3 です。Llama3を採用した理由は、単なる性能の高さにとどまりません。第一に、オープンソースであるがゆえに柔軟にカスタマイズが可能であり、企業ごとに異なる業務や知識体系に合わせて最適化できる点があります。第二に、モデルの軽量化やチューニングが比較的容易であり、自社固有のナレッジを取り込みやすいという強みを持っています。つまり、社内文書、マニュアル、作業報告などを学習・参照させ、業務現場に即した精度の高い応答を実現できるのです。

一方で、現在はChatGPTをはじめとするパブリックなAIサービスも広くRAG(検索拡張生成)を提供しており、ユーザーは大規模な知識検索を利用できる環境を持っています。パブリックAIのメリットは、即時に使える利便性と、常に更新され続ける幅広い知識へのアクセスです。しかし同時に、自社特有の情報を扱うには制約が大きく、データの外部送信リスクや機密保持の懸念も存在します。また、サービス提供側の仕様変更や利用料金に依存せざるを得ない点も、中長期的な安定運用という観点では課題になります。

これに対し、Llama3をベースとした自社構築型のアプローチは、ナレッジの主権を企業自身が保持できるという大きなメリットがあります。特にGraphRAGを組み合わせることで、社内知識を単なる検索リストではなく、関係性を持った知識体系として整理でき、文脈を理解した深い回答を提供できます。これは、汎用的なパブリックAIでは得にくい価値です。

もちろん、オープンソースモデルの活用には初期構築の負担や運用コストが伴います。しかし、「汎用性を取るか」「自社固有の深さを取るか」という選択の中で、私たちは後者を選びました。Llama3を用いることで、自社の業務知識を自在に活かしつつ、将来的な拡張性と独立性を確保できるからです。

Llama3 × GraphRAG によるアプローチは、単なる予測回答にとどまらず、企業固有の知識を正しく理解し活用できる「現場で本当に使えるAIチャット」の実現に直結します。

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